これから運送会社を設立するならば何をすれば良いのでしょうか。
きちんとした知識を持った上で手続きを進めたいという人は多いはずです。
そこで、運送会社を設立するために必要な営業許可や費用、注意点などをまとめました。
運送会社を設立するための準備
運送会社を設立するために必要な準備について紹介しましょう。
開業資金を用意する
運送会社を設立するにはさまざまな費用が必要です。
そのため、会社設立の前にある程度の開業資金を用意しておくことをおすすめします。
開業資金については創業融資でカバーするという方法もあるのですが、必ずしも融資を得られるとは限りません。
また、融資の審査ではある程度の自己資金を持っていることが求められます。
いずれにしても、まとまった自己資金を用意しておくのは、運送会社の設立をする上でとても大事なことです。
営業所と駐車場を確保する
運送会社の設立をする際には必ず営業所を用意する必要があります。
さらに車両を保管するための駐車場も必要です。
これらは会社設立をして運送業の許可を得る際に求められます。
運送業の許可を得る際には営業所や駐車場についてさまざまな条件を満たす必要があるため注意しましょう。
たとえば、近所にある月極駐車場を借りて駐車場にしようとしても、運送業の許可が出ないケースがあります。
車両を準備する
運送会社の設立では必ず車両を準備する必要があります。
運送業で使われる車両にはさまざまな種類があります。
どのような車両でも良いわけではなく、運送業の許可を得るために定められた条件を満たす必要があるのです。
運送業で使われる車両としては、ハイエースなどの小型車から中型トラック、大型トラックなどがあります。
また、車検証において用途が「貨物」となっているものでないと運送業では使用できないため注意しましょう。
自家用車を運送業の事業用に使うことはできないのです。
車両を準備する際には車庫の大きさや車庫の接道の幅員などにも注意しましょう。
さまざまな点を考慮した上で選ぶ必要があります。運送業の許可を得るには最低でも5台の車両が必要です。
運行管理者や整備管理者を用意する
これから運送会社を設立する際には運行管理者と整備管理者を用意しましょう。
これらは運送業の人員要件に含まれている存在です。運行管理者は1名以上必要であり、資格試験に合格したものだけがなれます。
営業所ごとに設置することが求められるのです。
整備管理者も営業所ごとに1名以上設置しなければいけません。
ドライバーだけでは運送業を経営することは不可能なため注意しましょう。
ドライバーを準備する
運送業の営業許可を得るためにはドライバーを最低でも5人以上用意しなければいけません。
最低でも5台の車両が必要であり、同様にドライバーも最低5名を雇用しなければいけません。
ドライバーは長期雇用を前提とします。
運送会社を設立するのに必要な費用
これから運送会社を設立するためにはさまざまな費用がかかります。
運送会社の設立の手続きで必要な費用は下記の通りです。
会社設立の費用項目 |
株式会社設立の費用 |
合同会社設立の費用 |
定款の収入印紙代 |
4万円 |
4万円 |
定款の認証手数料 |
5万円 |
不要 |
登録免許税 |
15万円あるいは資本金の金額の0.7%のうち高い方 |
6万円あるいは資本金の金額の0.7%のうち高い方 |
その他の費用 |
約1万円 |
約1万円 |
合計費用 |
約25万円~ |
約11万円 |
上記に加えて資本金を準備する必要があります。
さらに営業所を準備する費用から車両を用意する費用、従業員を雇うための費用などさまざまな費用が必要です。
合計してどの程度のお金が必要なのか計算しておきましょう。
運送会社を設立するための手続きの流れ
これから運送会社を設立する際には下記のような流れで手続きを進めていきます。
- 会社の基本事項を決める
- 定款を作成する
- 定款の認証や資本金の払込みを済ませる
- 法務局で設立登記の手続きを済ませる
- 運送業の許可を取得する
- 運送業を始める
上記の手続きを進めるのと平行して営業所の準備から車両の準備、必要な人員の確保まで進めましょう。
きちんとやるべきことを確認して予定を立てておかないと会社設立まで時間がかかるため注意してください。
運送会社設立には営業許可が必要
運送会社を設立する際に必要な営業許可について詳しく解説しましょう。
一般貨物自動車運送事業の許可申請書を提出する必要がある
これから運送会社を設立する際に取得するべき営業許可は一般貨物自動車運送事業です。
許可申請書を提出して国土交通大臣から許可を受ける必要があります。
一般貨物自動車運送事業とは他人や他社から運賃をもらいトラックなどを用いて貨物を運ぶ事業のことです。
許可申請の際にはすべての要件を満たしている必要があります。
営業所と車庫を準備して、5台のトラックと5名のドライバーを最低限用意して、さらに運行管理者と整備管理者をそれぞれ1名ずつ配置しなければいけません。
さらに6ヶ月以上分の運転資金を準備することを求められます。
営業所や車庫などはそれぞれ細かな規定があるため注意しましょう。
法令試験がある
一般貨物自動車運送事業の営業許可を取得するためには、単に要件を満たした状態で申請するだけではなく、役員に対して法令試験が実施されます。
常勤役員の一人が試験を受験して合格しなければいけません。
法令試験は奇数月に受験することができ、合格率は50~80%程度とされています。
そのため、しっかりと対策しなければ落ちるため注意しましょう。
許可申請は書類が多く内容が複雑で難しい
一般貨物自動車運送事業の許可申請についてはさまざまな書類が求められます。
申請書類に加えて添付書類として賃貸契約書や残高証明書、見積書、幅員証明書、図面などを用意しなければいけません。
書類の数が多くて、それぞれ正確な内容のものを用意する必要があり、自力で許可申請の書類を準備するのは難しいでしょう。
手続きは専門家に依頼するのがおすすめ
基本的に一般貨物自動車運送事業の許可申請の手続をする際には専門家に相談することをおすすめします。
専門家であれば、不足なく書類を準備することができ、審査に通るためのアドバイスもしてくれるからです。
運送会社を設立後の注意点
運送会社を設立した後にも注意するべき点はたくさんあります。
どんな点に気をつけるべきなのか紹介しましょう。
巡回指導への対策が必要
一般貨物自動車運送事業の許可を取得した後もするべきことはたくさんあります。
その1つが巡回指導への対策です。
定期的に巡回指導が実施されて、そこで問題があれば指導を受けます。
そこで面倒だからといって何も対策を取らなければ、最終的には行政処分が下されることもあるのです。
そうなれば一定期間車両を利用できなくなったり、悪質だと判断されれば営業停止になったりすることもあります。
巡回指導では事業計画から帳票類、運行管理、車両管理などを細かくチェックされるのが特徴です。
きちんと労基法を遵守しているのかといった点までチェックされます。
そのため、あらかじめ専門家に相談をして対策を立てておくと良いでしょう。
法令を遵守しているかどうかチェックされるため、運送業が守るべきルールを確認して徹底して遵守することを心がけるのが重要です。
税務調査への対策も重要
運送会社の経営をしていると税務調査が行われることもあります。
税務調査はいつ実施されるのかわからないため、常に対策をしておくことが大切です。
税務調査によって問題点が指摘されることはよくあります。売上金額を間違えていたり、計上漏れをしていたりすることは多いです。
税務調査の結果として税金の額に誤りがあり、本来納めるべき税金をきちんと支払っていなかったことが発覚することがあります。
そうなると不足している税金を支払うだけではなく、延滞税も発生するため注意しましょう。
悪質な場合は行政処分を受けることもあります。
税務調査については、税理士と相談をして帳簿の内容を細かくチェックすることが大切です。
車両の取得価格や車両の下取り、消費税、人件費と外注費の区分といった点に特に注意しましょう。
ドライバー不足への対策を考えておく
運送業は常に最低でも5名のドライバーを確保しなければいけません。
しかし、運送会社を経営していてドライバーが急に辞めてしまうようなケースは少なくないです。
その場合、すぐに新しいドライバーを確保しなければいけません。
基本的にはドライバーが辞めないように労働条件を改善することが大切です。
過酷な労働環境や労働に見合わない給与が原因となりドライバーが辞めていくことが多いです。
福利厚生を充実させるなどドライバーにとって魅力的な環境を整えましょう。
また、ドライバーを募集するための求人媒体や求人広告の内容などにこだわることも大切です。
なかなか応募者が現れない場合は別の媒体に変えてみると良いでしょう。
SNSなどを活用してドライバー募集を広くアピールするのも効果的です。
運送会社の設立は専門家に相談しよう
運送会社をこれから設立する際には大変なことがたくさんあります。
会社設立のための手続きに苦労する人は多いです。
会社設立をした後にも多くの手続きがあります。
運送会社を設立して経営を始めた後もさまざまな問題が出てくるでしょう。
これらは専門家に相談することで解決できます。
運送会社の設立から設立後の問題まで専門家のサポートを受けることでリスクを回避できるのです。
このような専門家を求めているならば経営サポートプラスアルファをおすすめします。
経営サポートプラスアルファであれば会社設立のプロとして総合的な対応ができるからです。
運送会社の設立でお困りならば、お気軽に経営サポートプラスアルファへ相談しましょう。
まとめ
運送会社を設立する際にはさまざまな準備が必要です。
営業所と駐車場を用意して、車両とドライバー、さらには運行管理者や整備管理者も用意しなければいけません。
さまざまな手続きを進める必要があり、設立後には巡回指導も行われます。
そのため、これから運送会社を設立するならば、しっかりと準備をしましょう。
運送会社の設立で不安な点がある人には専門家への相談をおすすめします。
経営サポートプラスアルファであれば、会社設立の手続きから融資、設立後の税務調査への対応まで幅広く対応できるのです。