資本金の目安となる平均は、いったいどれくらいなのでしょうか?解説していきます。
また平均を目安として、どのように資本金を設定したらいいかも説明していきます。
資本金には、どのような役割があるのかについても、説明していきます。
会社設立時に、資本金を設定していく上で、参考となる記事となっておりますので、ぜひ最後までお読みください。
資本金の目安となる平均は?
資本金について説明した後に、資本金の目安となる全国における会社の平均について、紹介していきます。
一般的な会社の場合には、どれぐらいの資本金の平均なのか参考にしてみてください。
資本金とは
資本金とは、会社に出資された資金のことです。株式会社の場合であれば、株主から、合同会社の場合であれば社員から出資されたお金の事です。
そして、資本金を元に会社の事業運営していくことになります。
創業者の自己資金により作られたものも資本金ですし、ベンチャーキャピタルなどにより投資されたお金も、資本金です。
資本金と似た言葉として自己資本と言う言葉がありますが、これはちょっと違った考え方になります。
資本金とは設定されてから固定の金額です。一方で、自己資本とは、会社の運営によって変動するものです。
会社設立時に資本金と自己資本は全く同じ金額です。
しかし売り上げがあり、経費を削減した場合、自己資本の額は変わってきます。
例えば、資本金が300万円の場合に、スタート時の自己資本は300万円です。
その後1年間で、売上200万、経費として50万円かかった場合には、自己資本は450万円です。
資本金の目安となる平均は、300万円
全国の会社における資本金の目安となる平均は、300万円です。
全体の分布を見ると資本金300万円から500万円未満の会社が34.6%と最も多く、1,000万円から3,000万円までの間の会社の数が33.0%と多くなっております。
また300万円以下の会社も多く存在します。
IT分野の会社など事業運営に経費がそれほどかからない会社の場合には、資本金が少なくても問題ありません。
しかし一般的な会社の場合には、数ヶ月の運転資金を必要とし、それは平均300万円ということです。
資本金の目安となる平均を参考に、自分の会社はどれだけ初期費用と運転資金が必要なのかを計算してみると良いでしょう。
資本金は、1円から会社設立できる
現在の法律において、資本金は、1円から会社設立が可能です。
かつての法律の下では株式会社の場合には、資本金は、1,000万円以上必要でした。
しかし2006年の会社法施行以降、資本金の額の制限が撤廃され、1円から会社設立ができるようになっています。
実際には会社設立時に、登録免許税などがかかるため1円で会社設立はできませんが、資本金は1円で可能です。
しかし、先ほども説明しましたように、資本金は事業運営の資金となるものです。
資本金が1円では、全く事業運営の資金が無いため、事業が成り立っていきません。
犯罪などに使われる会社も、資本金が1円の場合が多く、1円の資本金は避けた方が良いです。
平均だけでなく資本金の大きい企業の例
平均だけでなく、資本金の大きい企業も見てみましょう。
日本企業の資本金の大きい順は、以下の通りです。
企業 | 資本金(百万円) |
---|---|
日本郵政(株) | 3,500,000 |
(株)ゆうちょ銀行 | 3,500,000 |
(株)三井住友フィナンシャルグループ | 2,341,274 |
(株)みずほフィナンシャルグループ | 2,256,767 |
三菱UFJフィナンシャル・グループ | 2,141,513 |
武田薬品工業(株) | 1,668,145 |
東京電力ホールディングス(株) | 1,400,975 |
日本電信電話(株) | 937,950 |
※引用元:ヤフーファイナンスより
資本金が多いと運営が安定しているというわけではありませんが、資本金の平均より大きい企業は、参考になります。
銀行などの会社は貸付するための資金が必要なため、資本金が大きくなっています。
また製薬会社は、取引の金額が大きいことが分かります。
金融機関以外にも電気や電話、インターネット通信などのインフラに関わる事業しているところの資本金が大きいことが分かります。
一方で情報関係や介護事業に関する企業の場合には、資本金が300万円と平均よりも下回ることが多いです。
自分の設立する会社の事業分野をもとに、平均の資本金を目安としてみてください。
資本金の決め方・目安について
資本金の決め方、目安についてお伝えしていきます。資本金を決める目安は、様々ありますが、ここでは4つの目安について紹介していきます。
資本金の決め方、目安については以下の通りです。
- 運転資金を目安として、資本金を決める
- 融資の基準を目安として、資本金を決める
- 認可の基準を目安として、資本金を決める
- 節税を目安として、資本金を決める
資本金の目安、決め方つについてそれぞれ説明していきます。
運転資金を目安として、資本金を決める
資本金の目安、決め方1番目としては、運転資金を目安として決めるということです。
資本金の平均額が300万円となっているのは、この運転資金がどれだけあるかによって決まっています。
起業当初は、初期費用も必要となりますが、さらに毎月の運転資金も必要です。
そして会社設立直後は、すぐに売上が出来る訳ではない為、ある一定期間の運転資金を資本金として用意しておくことが必要でしょう。
資本金の目安としては、3ヶ月から6ヶ月の運転資金と、初期費用です。
例えば一人の社長の場合、自分の生活費(役員報酬)が月20万円で、事業の運営費に10万円が毎月かかるとしたら、90万円から180万円の運転資金の準備が必要です。
そこに初期費用を合わせて、だいたい300万円ぐらいになるという計算です。
運転資金に十分な余裕があれば、安心して事業を運営することが可能です。
以上が、資本金の目安、決め方1番目の、運転資金を目安として決めるということです。
融資の基準を目安として、資本金を決める
資本金の目安の決め方2番目としては、融資の基準を目安として決めるということです。
金融機関から融資を受ける際には、資本金の額が審査の対象となってきます。
平均的には、資本金の2倍から3倍程度の融資が受けられるとなっています。そのため自分の受けたい融資の額に応じて資本金を決めるという方法があります。
例えば初期費用と運転試験に1,000万必要な場合には、やはり資本金として300万円程度持っておくと、審査の対象になってきます。
また、日本政策金融公庫の「新創業融資制度」の場合には会社設立の際にかかる費用の1/10の自己資本試験が必要となっています。
以上が、資本金の目安の決め方2番目の、融資の基準を目安として決めるということです。
許認可の基準を目安として、資本金を決める
資本金の目安の決め方3番目は、許認可の基準を目安として決めるということです。
事業内容によっては、許認可が必要な事業があります。そして許認可によっては、最低資本金額が決まっているものがあります。
許認可毎に以下のような最低資本金額の設定があります。
許認可の業種 | 最低資本金額 |
---|---|
建設業 | 500万円 |
特定建設業 | 2,000万円以上かつ自己資本の額が4,000万円以上 |
有料職業紹介事業 | 500万円 |
一般労働者派遣事業 | 2,000万円 |
会社を設立しようとする事業分野の許認可で、最低資本金額がある場合にはそれに従わなければいけません。
以上が、資本金の目安の決め方3番目の、許認可の基準を目安として決めるということです。
節税を目安として、資本金を決める
資本金の目安の決め方4番目は、節税を目安として決めるということです。
資本金を低く設定することで節税できる税金としては、登録免許税、消費税、法人住民税があります。
ひとつずつ説明していきます。
まず登録免許税というのは、会社設立するために法務局に申請する際に必要となる税金です。
株式会社の場合も、合同会社の場合も資本金を低く設定することで節税できます。
株式会社の場合には、登録免許税は15万円または資本金の0.7%の大きい方の額となっています。
また合同会社の場合には、登録免許税は6万円または資本金の0.7%の大きい方の額です。
資本金の額を少なく設定することで、登録免許税が最低額で済みます。
また、資本金が1,000万円未満の場合には、消費税が会社設立後2年度分免税されます。
つまり、1,000万円を超えてしまうと免税事業者から外れてしまうのです。
また法人を設立すると法人住民税がかかります。
法人住民税の中でも均等割という税金は、赤字であっても必ずかかる税金です。
都道府県の地方自治体によって法人住民税は変わってきますが、東京都の場合従業員が50人以下で、1,000万円未満の資本金だと最低金額の7万円で済みます。
以上が、資本金の目安の決め方4番目の、節税を目安として決めるということです。
資本金の役割
資本金の役割とは、以下のようなものがあります。
- 利益が出るまでの運転資金
- 取引先からの信頼を得る
- 金融機関からの融資の基準
資本金の役割を理解して平均の目安を見ながら、金額を設定していきましょう。
資本金の役割についてそれぞれ説明していきます。
利益が出るまでの初期費用と運転資金
会社設立直後は、売り上げがすぐに上がるわけではないので、初期費用と運転資金を必要とします。
資本金はそれらの初期費用と運転試験のために使われます。平均的には数ヶ月ぐらいは売上上がらない状態が続くので、最低でも3ヶ月、理想は6ヶ月以上の運転資金を準備しておく必要があるでしょう。
また会社設立直後は、全く売上が無い状態ですので、初期費用も全て資本金から支払います。
登録免許税が必要な他、賃貸オフィスを構える場合にはオフィスの契約の時にかかる費用、机や椅子、電話、FAX、プリンターなどの設備費用もかかります。
またホームページを準備する場合には、制作費用も平均20万円~30万円かかります。
それらの初期費用と運転資金から、全国で平均的に資本金は、300万円は必要となっているのです。
平均の資本金額を参考にしてみて、利益が出るまでの運転資金を準備しておきましょう。
取引先からの信頼を得る
資本金の役割2つ目は、取引先からの信頼を得るということです。
資本金が十分にあれば、取引先との取引でも十分に支払いの対応ができるため、信頼を得られます。
資本金は、1円から会社設立は可能ですが、あまりに資本金が少ないと取引先から信頼を失ってしまいます。
ある程度の資本金を準備して、取引先から信頼を得るようにしましょう。
金融機関からの融資の基準
資本金の役割3つ目は、金融機関の融資の基準を満たすということです。
金融機関から融資を受ける際の融資額の平均的な額は、資本金の2倍から3倍と言われています。
最低でも平均以上の資本金を用意しておくことで、融資を受けられる可能性が高いです。
金融機関も平均以上の資本金を持っている会社には、支払い能力があると判断して融資がしやすくなります。
以上が、資本金の役割について説明してきました。
【まとめ】資本金の平均を目安にして、自社に最適な資本金を決定しよう
全国の会社における資本金の目安となる平均は、300万円です。
全体の分布を見ると資本金300万円から500万円未満の会社が34.6%と最も多く、1,000万円から3,000万円までの間の会社の数が33.0%と多くなっております。
自社の事業分野によって、必要な資本金額の平均というのは変わってきます。
自社の事業分野における資本金額の平均を目安にして、自社に最適な商品を決定しておくようにしましょう。
平均の目安を参考にしながら、初期費用と運転資金を計算し、最適な資本金を決定していきます。
資本金額の設定については、最適な金額をしっかり理解している専門家に相談するのもおすすめです。
当社では、土日祝日、平日夜間でも24時間相談受付中です。
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そして、いざ法人を設立する場合は、多くの必要書類を準備し、手続きが必要です。
実際には、法務局へ登記した後も、税務署などへの手続きなどが多くあります。
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設立費用は、合同会社の設立の場合には6万円、株式会社設立の場合は20万2,000円から行えます。
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