解体業で独立をするケースは珍しくありません。
ただし、独立には複数のパターンがあり、独立後に許可を取得しなければいけないケースもあります。
そこで、解体業の独立について詳しく解説しましょう。
解体業で独立するとは
解体業で独立するとはどういうことなのか説明しましょう。
解体業の独立のために資金や許認可などの準備をする必要がある
これから解体業として独立するためには準備をしなければいけないものがたくさんあります。
たとえば、独立資金を用意する必要があるのです。
解体業を始めるためにはさまざまな機材が必要であり、事務所も用意しなければいけません。
会社設立の手続きなどにも費用がかかるのです。
さらに、解体業で独立したあとで許認可の申請をしなければいけないケースがあります。
許認可の申請は必要要件を満たしている必要があり、しっかりと準備する必要があるのです。
会社設立と個人事業主の2つのパターンがある
解体業で独立する際には会社設立と個人事業主という2つの選択肢があります。
どちらの形態を選んで独立するのかよく検討しましょう。
それぞれにメリットとデメリットがあるため、解体業で独立をする目的や希望などをよく考慮して、自分に適した形態を選びましょう。
解体業の独立で必要な許可・資格
解体業で独立するためには必要な許可や資格があります。
どんな許可・資格が求められるのか、どのようにすれば取得できるのか詳しく解説しましょう。
500万円以上の工事を請け負うには建設業許可が必要
解体業で独立する際に注意するべき点は500万円以上の工事を請け負うには建設業許可が必要な点です。
大きな規模の解体工事を請け負うことになれば、請負代金が500万円を超えることは珍しくありません。
無許可で500万円以上の工事を請け負うと罰則が定められているため注意しましょう。
500万円未満の解体工事であれば解体工事業登録で十分
もし500万円未満の解体工事を請け負うのであれば、建設業許可は不要です。
ただし、解体工事業登録をする必要があるため、解体業で独立する際に登録を済ませましょう。
解体工事業登録とは建設リサイクル法によって定められている登録制度です。
都道府県知事による登録制度であり、解体工事を請け負う前にあらかじめ登録を済ませておきましょう。
建設業許可と比較すれば解体工事業登録は簡単に取得できます。
申請書と添付書類を提出して、登録手数料を支払えば登録は完了するのです。
場合によっては産業廃棄物収集運搬の許可が必要
解体業で独立する場合は、解体工事を請け負う際に廃棄物の運搬が必要なケースがあります。
一部のケースでは、解体業で生じた廃棄物を運搬する際に産業廃棄物収集運搬の許可が求められるのです。
廃棄物処理法では、廃棄物を生じさせた当人が責任を持ち処分することと定められています。
そして、自分で処分できない場合には許可を受けた人に委任するというルールです。
したがって、独立して解体業を始めて、自社で直接請け負った解体工事で生じた廃棄物については、そのまま許可を得ずに運搬することはできます。
一方、下請けとして解体工事を請け負った場合には、廃棄物は元請業者が発生させたと扱われるのです。
この場合は、廃棄物を運搬するのに産業廃棄物収集運搬の許可が必要となります。
そのため、あらかじめ産業廃棄物収集運搬の許可を取得していると請け負える仕事の幅が広がるのです。
解体工事業登録の取得方法
解体工事業登録は、これから工事を行う区域を管轄する都道府県知事に登録申請をします。
解体工事業登録の登録では技術管理者を選定しなければいけません。
所定の資格を有するもの、あるいは解体工事に関する実務経験を有するものが技術管理者になれるのです。
新規に登録する際には手数料として33,000円が請求されます。
また、登録後に実際に解体工事をする際には、選定して技術管理者が現場を監督しなければいけません。
建設業許可の取得方法
解体業の建設業許可を得るためには、下記の登録要件を満たすことが求められます。
- 専任技術者を設置している
- 欠格要件に該当しない
- 経営業務の管理責任者を設置している
- 財産要件を満たしている
- 誠実性を有している
専任技術者は土木施工管理技士や解体工事施工技士などの資格者、あるいは解体工事の実務経験者がなれます。
経営業務の管理責任者も実務経験のあるものがなれます。
さらに財産要件として純資産が500万円以上あることが求められるのです。
産業廃棄物収集運搬の許可を取得する方法
産業廃棄物収集運搬の許可を取得するには下記の要件を満たしている必要があります。
- 欠格条項に該当しない
- 指定講習会を受講している
- 経理的基礎がある
- 収集運搬に利用する車両や容器、駐車場がある
指定講習会を修了することが必要要件とされているため事前に受講しましょう。
新規許可と更新許可でそれぞれ別々の講習会があり、あらかじめ予約をして参加する必要があります。
経理的基礎では債務超過の状態ではなく、持続的に経営できる見込みがあることが求められます。
廃棄物の運搬収集のためには、回収した廃棄物の悪臭などが漏れないような対策がされている車両が必要です。
回収した廃棄物を入れるための容器や車両を停めておく駐車場までチェックされます。
許可申請書と添付書類を用意して提出すれば、2ヶ月ほどで結果が知らされるという流れです。
許可を得るまでに時間がかかるため早めに申請をしましょう。
解体業で独立するのに必要な費用
解体業で独立するにはさまざまな費用がかかります。
どういった費用が必要になるのか紹介しましょう。
施設や車両などの設備費用
解体業で独立するためには事務所を用意しなければいけません。
業務で利用する車両を駐車するスペースや回収した廃棄物を置いておくためのスペースも必要です。
さらに、解体業で利用する車両を準備する費用もかかります。
解体作業で利用する機材を運ぶ車両が必要です。
産業廃棄物の回収を行うならば、そのための専用車両も用意しなければいけません。
これらの設備を用意するための費用をあらかじめ計算しておきましょう。
会社設立の手続きにかかる費用
解体業の独立で会社設立をするならば、手続きを進めるのに費用がかかります。
定款の収入印紙代や登録免許税などの費用がかかり、株式会社の場合は約25万円、合同会社では約12万円程度かかるのです。
従業員を雇うための費用
独立して解体業を始める場合には、1人で作業をするのは困難なため従業員を雇うのが一般的です。
従業員を雇うためには求人広告を出す必要があり費用がかかります。
さらに従業員を雇うことで人件費もかかるため注意しましょう。
解体業の独立を成功させるポイント
これから解体業の独立を成功させるためのポイントを解説しましょう。
特定の工事に必要な資格保有者を確保する
解体業で作業を進める際にはさまざまな工事を行うことになります。
その中には特定の資格を保有するものでないと取り組めない工事もあるため注意しましょう。
たとえば、解体作業でアスベストを取り扱うことになったならば、石綿作業主任者技能講習の修了者を作業主任者にしなければいけません。
他には、解体作業で小型クレーンを運転する必要があるケースでは技能講習の修了者が求められます。
ブルドーザーやトラクターショベルといった車両を用いる場合も運転技能講習の受講者を用意しなければいけません。
このようにさまざまな資格が必要な作業があるため、資格取得者や技能講習の修了者などを積極的に用意しましょう。
融資や助成金・補助金などを積極的に活用する
解体業の独立のために多くの費用がかかるため資金繰りに苦労するケースは多いです。
そこで、創業融資や助成金・補助金などを積極的に活用することをおすすめします。
これらの制度を活用することで、解体業で独立するための準備をしっかりと進められるのです。
創業融資や助成金・補助金などが気になる方には経営サポートプラスアルファをおすすめします。
経営サポートプラスアルファであれば、創業融資などのサポートが可能です。
制度の紹介から申請のサポートまで行える経営サポートプラスアルファにご相談ください。
適切な保険に加入しておく
解体業で独立するならば、保険への加入はとても大切です。
特に損害賠償保険は重要であり、万が一のトラブルが起きたときも安心できます。
解体工事は事故が起きやすいとされています。
たとえば、瓦礫が隣家を傷つけたり、通行人や通行車両に被害を与えたりするケースがあるのです。
どんなに注意をしても事故が起きる可能性はあるため、不測の事態に備えて損害賠償保険に加入すると良いでしょう。
そうすれば保険を活用してしっかりと損害賠償金を支払えます。
解体業の独立は会社設立がおすすめ
これから解体業で独立するならば会社設立をおすすめします。
その理由について詳しく解説しましょう。
解体業の独立で会社設立を選ぶべき理由
解体業として独立をする際には個人事業主ではなく会社設立を選んだ方が良いでしょう。
下記のようなメリットが会社設立にはあるからです。
- 対外的な信用力が上がる
- 節税しやすくなる
- 有限責任になる
- 赤字を最長10年まで繰り越せる
会社という形態の方が個人事業主よりも対外的な信用力が上がります。
仕事の依頼も多くなり、選ばれやすくなるのです。
節税しやすくなる点も大きなメリットです。
会社という形態の方が経費になる対象が広くなります。
役員報酬という形で給与を得ることができ、役員報酬は経費として処理できます。
また、会社は有限責任である点もメリットです。出資の範囲内でのみ責任が問われます。
無限責任である個人事業主と比較すると将来のリスクが小さくなるのです。
会社の場合は赤字が生じたとしても最長10年まで繰り越せるのもメリットといえます。
このように会社設立にはさまざまなメリットがあります。
会社設立は専門家に任せよう
会社設立には専門的な手続きが多数含まれています。
それらの手続きを自力で行うのは手間がかかり大変です。
また、間違えた選択をしたことで創業後に後悔するケースもあります。
節税できずに損をすることもあるのです。
こういった事態を避けるために専門家に相談することをおすすめします。
経営サポートプラスアルファであれば、会社設立を総合的にサポートすることが可能です。
解体業の独立で会社設立を検討している方は経営サポートプラスアルファにお任せください。
まとめ
解体業の独立は会社設立で行うことをおすすめします。
ただし、建設業許可や解体工事業登録などさまざまな許可申請がかかわるため注意しましょう。
解体業の独立を成功させるには、適切な保険に加入し、融資や補助金・助成金などを積極的に活用し、さらに多くの資格を取得しておくことをおすすめします。
解体業の独立で会社設立をする際には経営サポートプラスアルファにお任せください。
会社設立をするかどうか決めるのに悩んでいる方や手続きの仕方で不安を抱えている方まで幅広く対応できます。
会社設立のことは、24時間いつでも問い合わせ可能でオンライン対応も行っている経営サポートプラスアルファにご相談ください。